【 ツナグ・ソリューションズ】私たちが実現したいことは人材のシェアリングエコノミー Vol.2

人材業界の地図を変える求人メディア情報のビッグデータ

朝倉祐介(シニフィアン共同代表。以下、朝倉):御社の求人メディア情報のビッグデータである『TSUNA-gram(ツナグラム)』についてですが、画面を見ると、地域ごとに媒体別のパート・アルバイトの応募状況などがデータで比較できるツールのようですね。東京だとAという媒体の効果が高いが、大阪ではBの方が良いと。応募者の状況についても、応募から採用にかけてのプロセスをステータス別で見ることもできれば、地域も市のレベルで見ることもできますし、業種ごとの応募状況も比較ができる。これは採用活動においては非常に参考になるデータでしょうね。
こちらはクライアントに見せるためのものなのですか?

「成長性に関する説明資料」より抜粋

米田光宏氏(株式会社ツナグ・ソリューションズ 代表取締役社長。以下、米田):この資料は、『TSUNA-gram(ツナグラム)』のイメージ図です。お客様へは、ここから抽出した企業とマーケット比較をもとに提案を行います。お客様ご自身の内部データとマーケットの外部データを融合させてより個社にあった形にすることで、マーケットにおいて優位に立っていただくことを私たちは重視しています。ですので、私たちの採用代行スタッフがこのデータをいかに使いこなすかが重要になってきます。

小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):他にこのデータベースでポイントとなる項目は何でしょう?

米田:面接設定率ですね。応募があったからといって面接まで至るとは限りません。お客様が欲しているのは「面接に来てくれること、そこから採用できること」なので、どの求人手法の面接設定率が高いのかというのは重要な要素になります。集中購買にて広告予算を削減すること、そしてこのデータベース『TSUNA-gram(ツナグラム)』をつかって媒体差配していくこと。結果、私たちのRPO導入企業の平均求人広告予算削減額は約20%です。

朝倉:これだけのデータがあると、オープン化したら業界に大きな影響を与えるように思えますが、オープン化は考えてらっしゃるんですか?

米田:将来的にはオープンデータにしたいですね。そして、それによってRPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)から次のステージに行けるのではないかとも思っています。私たちはまだ創業10年のスタートアップなので、お客様は大手のチェーン店企業が中心になっていますが、街の個店企業、ロングテールのところまでこのサービスを提供できるようになれば、プラットフォーマーとしての役割を果たすことができるようになるのではないかと思うのです。

村上誠典(シニフィアン共同代表。以下、村上):大企業向けには丁寧なコンサルテーションが入って、テールの部分に向けてはデータを提供するという形ですか?

米田:そうですね。そうなれば、今までの人材業界の地図というのが変わってくるのではないかと思います。

事業の拡大を実現するツナグ・ソリューションズ3本の矢

小林:これから事業を拡大する上で、その方向性として、純粋にRPO業務を伸ばすのか、バリューチェーンを拡大していくのか、あるいはプラットフォーム型に向かうのか、どの方向に注力しているんでしょうか?

米田:一の矢、先ず取り組むべき第一はRPOです。私たちは265社(16.9月期実績)のお客様へRPOサービスを提供していますが、ターゲットにしているアルバイト就労者数500人以上の企業3000社(ツナグ・ソリューションズ調べ)のうち、10%も取れていません。ですので、アルバイト・パートの採用代行というサービスがあることをまず広げていきたいです。実は、IPOの最も大きな理由もそこです。今日のように説明させて頂ければ「そんなサービスがあったんだ」と認識をしていただけるわけですが、マーケットも同じような状態です。アルバイトにおける採用代行業務というサービスがあり、それは採用効率を上げるためにも、そして現在日本の課題でもある、現場管理職の過重労働対策にも有効であるということを、まずはしっかり認知させていきたいですね。

その次が、お客様に寄り添う立ち位置のサービスであるRPOというサービスを主軸として、メディアや派遣事業、定着化支援など、人材領域周辺サービスを磨き込むことです。これを二の矢と呼んでいます。RPOというサービスはある意味、お客様の採用予算を共にコントロールしていく立場になることなので、周辺サービスを磨き込んでいけば新たなマネタイズの機会が生まれます。

そして、それによって先程お見せしたビッグデータシステム「TSUNA-gram(ツナグラム)」に情報を蓄積し、それで得られたデータベースを元に事業モデルそのものをプラットフォーム型に移行していくのが第三の矢になります。

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小林:御社は事業を拡大していく中でいくつか買収をされています。例えば、モチベーションをコントロールしてリテンションを上げるとか、研修を強化するとか、どのような考えで事業拡大されているんでしょうか。

米田:事業拡大の一つの可能性として、周辺領域におけるM&Aや新規事業開発を進めています。本来であれば他のプレイヤーを差配して採用活動における課題を解決するところですが、仮にそれでは解決しきれない場合に、私たち自身が周辺ビジネスを持ってその課題解決に一歩でも近づこうという試みです。

小林:メディア事業もお持ちですが、RPOでは中立的な立場である中で、あえて一部メディア事業も持たれてる意味は何なのでしょう。

米田:一つは、差配だけでは応募者を取り切れない状況の補助として、自社でも求職者を得られる手段を持つということです。私たちは差配、つまりメディア選定において中立公正をベースにしていますが、それ自体が目的ではなく、お客様にとってのコストリスク面に中立公正であることが重要です。よって、お客様の課題解決のためにメディアを持っています。また中立公正を貫くために、私たちのメディアについては成果報酬型で運営しています。
加えて、セグメントメディアに特化しています。いま持っているメディアはピンポイントでこの日のこの時間だけ働きたいという「ショットワークス」や、留学生に特化した「ニホンdeバイト」などです。今強いメディアプレイヤーというのは大量集客×大量送客というマスマッチング型です。そうした主流メディアの領域の外側なんですが、特化型のニーズで求職者からしっかり見つけてもらえるメディアならば、有料の広告を打つ必要があまりなく、集客費用もかからないので、差配の補完の役割は果たせると思っています。

村上:外側とのことですが、シナジーのようなものは出てくるのでしょうか?

米田:今はまだですが、もう少しメディア事業を磨き込むことでシナジーを生み出していきたいと思っています。
今、シェアリングエコノミーという言葉が取り沙汰されてますが、私たちが取り組みたいのは人材のシェアリングエコノミーです。一人の人が一つの職場でずっと働くのではなく、その人が一番都合の良い時間や仕事を組み合わせるのです。働く人は自ら組み合わせ、雇用側も組み合わせる。労働力が不足しても、シェアリングエコノミー化することによって補完することができる。つまり、1人が2人にもなり3人にもなり得るのです。ただ、そのためには組み合わせる技術が必要になってきます。そこを私たちがRPO、採用代行というお客様に寄り添った立場でコンサルティングを行い、モザイク型の採用マーケットを作っていく、そこにシナジーが生まれてくると思っています。

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朝倉:本来、派遣社員や契約社員も多様な働き方を広げていこうという発想で考えられていたと思うのですが、気づいたら単に正社員よりも待遇の悪い雇用形態であるかのような扱いになってしまっていますね。本来は多様な働き方を進めるために、同じ会社の中でもフルタイム以外の働き方がありえたはずなのに、残念な状態になってしまっていると感じます。

米田:それがまさにこれからの日本の大きな課題だと思っています。労働者を守るはずの制度が実は労働者を守れていない。自由な働き方を阻害しているのが、まさにおっしゃられた部分ですね。働き方改革の一つ目のテーマは「長時間労働是正」ですが、二つ目に入っているのが「同一労働同一賃金」です。それが進み、もう少し流動性の高い働き方が実現すれば、私たちにとってももう一段の追い風になるし、長時間労働の是正にもつながるはずです。

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