【 ツナグ・ソリューションズ】日本中のあらゆるパート・アルバイト求人情報のデータベース「TSUNA-gram(ツナグラム)」Vol.1

株式会社ツナグ・ソリューションズは2007年に創業。以来、日本中の飲食店や小売店のアルバイト・パートの採用業務を代行するRPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング=採用活動代行)事業を中心に展開する。そして日本初となるアルバイト・パート採用コンサルティングを通じ、働き方改革や少子高齢化社会における問題の解決に取り組んでいる。2017年6月に東証マザーズに上場。現在グループ会社6社。資本金は444,546千円、従業員数は305名(正社員 連結/2017年10月1日時点)。
証券コードは6551。

米田光宏(よねだみつひろ)
株式会社ツナグ・ソリューションズ 代表取締役社長
1969年生まれ。大阪府出身。関西学院大学経済学部卒業後、株式会社リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)入社。 主にマーケティングや商品開発、組織コンサルティング業務を担当。一貫してアルバイト・パート採用領域に関わる。 株式会社リクルート首都圏FMカンパニー企画室長を経て、2007年株式会社ツナグ・ソリューションズ設立。 同社代表取締役社長就任。

創業以来、日本初のアルバイト・パートの採用業務代行・コンサルティングを軸に事業を拡大してきたツナグ・ソリューションズ。
働き方改革をはじめとして、日本全体で生産性の改善が叫ばれる中、人材市場にもこれから大きな変化が訪れることが想定されます。そうした市場の中で、独自の立ち位置で成長を遂げている同社の特長について、米田社長にお伺いしました。

(ライター:石村研二)

飲食店の店長は銀行の支店長よりも難しい仕事

小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):御社はいわゆる“人材系”と言われるカテゴリーの会社ですが、その中でどのようなユニークさを持つ会社なのでしょうか?

米田光宏氏(株式会社ツナグ・ソリューションズ 代表取締役社長。以下、米田):私たちは、日本で初めてアルバイト・パートの採用業務代行を始めた会社です。採用市場でイメージされる人材系の企業というのは、メディア会社であったり、その商品を販売する求人広告代理店であったり、もしくは直接人材を派遣する派遣会社であったりと、ほぼ全てプロダクトアウト側の立ち位置にあります。それに対して私たちはクライアント側に立ち、採用業務そのものを請け負います。

私たちがRPOを始める以前の採用市場においても、クライアント側に立ち採用業務の請負を行っている他のプレイヤーもいました。ただ、そのほとんどは新卒採用業務の主幹である“人事部”の業務を請け負うプレイヤーでした。そういった、一般的な採用代行業務を行うプレイヤーと私たちが行っているRPOの一番大きな違いは、私たちはアルバイト・パートの採用業務を専門に代行している点です。 新卒の採用業務と比較して、アルバイトやパートを対象とした採用業務の一番の相違点は、その業務を担当しているのが“人事部”ではなく、現場管理者である”店長”であるところです。つまり、私たちが代行するのは企業の人事業務ではなく、コンビニや飲食店の店長の業務の一部となります。

私は常々、飲食店などの店長は都市銀行の支店長よりも難しい仕事をしていると思っています。もちろん、都市銀行の支店長も様々な業務に追われ大変なことは重々も承知していますが(笑)、メンバーマネジメントという観点で言えば、そのメンバーの働く動機づけや、今までの辿った歴史や背景、キャリアプランの中で求めているものは、ほぼ画一的です。ところがサービス業における現場管理者のマネジメント対象は、社会との接点を求めるシニアの方や、お小遣いを稼ぎたい学生、将来独立したいフリーター、扶養の範囲内で時間をコントロールしなくてはいけない主婦等、それぞれモチベーションも違う人たちで、そうした人たちを一つにまとめているわけです。その上で、店舗業績を追いかけ、様々な運営業務に対応する…そのような多岐多様な仕事をやっている中、採用業務も行わなければならない。 少しでも営業活動に専念できる、メンバーマネジメントに注力できる。そういった職場環境をつくるために、採用業務そのものを代行してり、そもそも採用活動をしなくても済むように定着力を向上させるのが私たちの仕事なのです。

私たちが起業した2007年、その頃は有効求人倍率が1を超えるという、1980年以降40年間で3回しかないうちの1回で、とにかく現場人材が足りていませんでした。私たちの最初のお客様である、あるファストフードのチェーン店様も、同様の悩みをお抱えでした。 お店の売上を上げなくはならない。でもその中心である店長は、スタッフが不足しているので採用業務に追われてしまっている。それだけではなく、採用できるまでは店長自身がシフトの穴埋めもしなければならず激務に追われている。そういった環境の中で、マネジメントに目が届かず既存のスタッフも辞めてしまう……。飲食店で「名ばかり管理職」が問題になったのもその頃です。それだけ現場における業務負荷が溜まっていたのです。 そういう中で、そのチェーン店本部様から、そういった状況を何とかできないかと私たちに声をかけていただいたのです。現場における採用業務を私たちがしっかりと請け負うことで、店長や従業員がお店の営業に専念できる。それが結果的に売上増や経費削減につながると考えられたのですね。

採用メディアだけでは、アルバイト・パート採用の問題は解決できない

小林:確かに採用市場というと、採用メディア事業を思い浮かべがちですね。その中で今おっしゃったようなBPO的観点から捉えようと思ったきっかけなどあったのでしょうか?

米田:私はもともとリクルートフロムエーという、リクルート(現リクルートホールディングス)の中で、アルバイト求人情報誌を発行する子会社におりました。もちろん人材業界におけるプロダクトメーカーのナンバーワン企業です。私はその会社で一貫してアルバイト・パートの採用に関わっており、アルバイト求人メディアの中でナンバーワンだという自負はあったのですが、それでもお客様のニーズに100%応えることはできませんでした。一つは地域の問題。メディアの掲載範囲ではない地域では採用の担保ができず、ターゲットによっては折込チラシの方が効果が高いこともあるので、自社メディアのみではお客様の現場のニーズに応えきれませんでした。

もう一つは、受付体制や、辞めさせないための離職防止モデル等のメディア以外の部分です。メディア事業というのは「人手不足数×広告出稿×掲載単価」という方程式で成り立っているので、この部分を解決することはメーカの立場としては構造的に実現することが難しかったのです。逆に考えるとBPOによってお客様に寄り添う立ち位置にビジネスを置くことで、ビジネスチャンスが生まれるのではないかと考えました。

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小林:ナンバーワン企業であっても、クライアントと接する中でぶつかったお客様の悩みに答えきれなかったということですか?

米田:そうですね。いまアルバイト・パートで働かれてる方は「労働力調査 長期時系列データ 雇用形態別雇用者数」(総務省統計局)によると、1300万人程度いらっしゃるのですが、全ての方が入れ替わると仮定すると同数の1300万人の方が動かれていることになります。当社の調べでは、その約70%が口コミや知人の紹介、自社の採用サイトなどの無料求人にて仕事に就かれているので、そうすると有料求人広告で採用された方は約400万人程度と試算できます。現在アルバイト・パートを採用する求人広告市場は約2380億円の規模(矢野経済研究所調べ「人材ビジネスの現状と展望2016年版」)なので、アルバイトを採用するのに、一人あたり平均6.0万円程度必要ということになります。時給を1000円としても、60時間分というゾッとするような数字となります。これも1300万人が全員入れ替わると仮定した上での数字なので現実にはもっと大きな数字になっていてもおかしくありません。
つまりそれだけコストをかけても、現場の人材不足に悩む企業のニーズに応えきれていないというのが、今もそうですし、当時もそういう状況だったのです。

応募効率3.8倍を実現したRPOの秘訣

小林:実際に起業されてこれまで事業を拡大されてきたと思いますが、基本的なビジネスモデルがどのようなものなのか改めて説明していただけますか?

米田:私たちのビジネスモデル、採用代行業務(RPO)は大きく分けると2つで、一つは求人メディアの集中購買(セントラルバイイング)と媒体差配です。これは、各店舗が自ら採用業務を行っている場合にはできなかったことで、広告をセントラルバイイングすることで価格競争力を発揮し、価格を下げた分をさらに投下することにより効率的に人を集めます。そして適切な効果分析をもとに媒体差配を行う事でさらに効果を高めます。
もう一つは応募の受付代行です。私たちのお客様である大手コンビニチェーン様では、私たちのサービスを導入していただいた事で応募数が3.8倍も上がりました。応募数が上がった一番の打ち手が応募受付の代行です。そもそも求人広告を出す背景は、人手不足で忙しくて手がまわらないからです。つまり求人広告を出したとしても、お店に電話がかかってきてもその電話を取れない。それを我々の採用専門コールセンターで受け付けることで取り逃しをなくした、それが一番のポイントです。また、かかってくる電話の多くは実は“応募”ではなく、“問合せ”なのです。私たちの採用専門コールセンターの熟練したスタッフがその問合せに丁寧にお応えすることで、応募へと導きます。結果、応募数の拡大に繋がっています。

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朝倉祐介(シニフィアン共同代表。以下、朝倉):広告枠を集約的に買っているからセントラルバイイングなんですね。

米田:おっしゃるとおりです。今、年間18万件くらい(2016年9月期の通期決算より)の広告を集中購買しています。その1件1件の求人広告の応募受付を私たちが代行することで、その1件1件に応募効果を記録することができます。つまり、どのメディアで、どのような原稿で、どれくらいの費用をかけると、どんな人から、何人応募があって、どの程度面接できたかをデータベース化することになります。

村上誠典(シニフィアン共同代表。以下、村上):なるほど。競争優位の要因としてはデータを集約的に持っているというのも大きいのではないですか?

米田:現時点では一番大きいと思いますね。集中購買でメディア掲載費用を削減できても、それは初年度だけの効果です。2年目以降どうやって採用効率を上げて行くかというと、どの採用手法をするのが良いかどうかを、そのデータベースに基づいて差配します。結果的に効果の無かった無駄な広告をいかに無駄じゃない広告に移し替えていくか。それを10年行ってきました。今およそ6万5000店舗の代行業務を受けているので、それらのデータがどんどん蓄積されています。これは大きなアドバンテージになると思います。

村上:地方と都会での採用の違いなど、全国展開されてないとデータ的にカバーできないこともありますよね。それが参入障壁になっているということもあるんでしょうか?

米田:おっしゃるとおりですね。『TSUNA-gram(ツナグラム)』という商標を取ったシステムがありまして、130人の採用代行スタッフがそのデータベースを元に差配を行っています。インターネットの応募ログだけではなく、コールセンターを持つことで集積できる電話での応募データ、さらには大手メディア会社に属さず、独立系であることから全てのメディア効果を集積することができます。そして私たちは、それらを統合できないと本質的なものが生まれないと考えます。またメディアとひとくくりに言っても求人広告だけでなく、自社採用ホームページなどのオウンドメディアや店頭ポスター、投げ込みチラシといったものがあります。その全て私たちのコールセンターの番号を入れるので、メディア特性に関わらない効果比較ができます。なので、例えば「この地域は求人広告を出しても無駄打ちなので、付近の3000世帯に折込を入れた方が効果が良いと思いますよ」といったコンサルテーションができるわけです。

朝倉:たしかに、オンラインで完結してできるところは効果検証できそうですけど、チラシとかまでなるとなかなか手が回りませんね。

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