【GameWith】創業4年での上場。今泉卓也社長が語る「急成長事業に求められる人・組織との向き合い方」 Vol.1

GameWithは、ゲーム攻略情報サイトとして2013年に創業。9月にゲーム攻略サイト「GameWith」をリリースした。2016年には動画実況などの事業による広告事業を開始。今年に入ってからはコミュニティー機能など多角化させてきた。6月30日にマザーズ上場。「ゲームをより楽しめる世界を創る」の経営理念の元、3年半で月間8.9億PVを越えるサービスへと成長してきた。資本金340,501,300円(2017年5月末日時点)従業員数39名(2017年4月30日時点)

今泉卓也(いまいずみ たくや)
株式会社GameWith 代表取締役社長
1989年生まれ。慶応義塾大学卒。 2012年 在学中にソーシャルゲーム会社の創業に参画し、取締役CTOとして開発全般をリード。 2013年 株式会社GameWithを創業し、代表取締役に就任。
村田 祐介 (むらた ゆうすけ)
株式会社GameWith 取締役。インキュベイトファンド 共同創業者/代表パートナー
1980年生まれ。1999年にエンタープライズ系スタートアップに創業参画し金融機関向けオンラインサービス・ソフトウェアの開発業務に従事。 2003年エヌ・アイ・エフベンチャーズ株式会社(現:大和企業投資株式会社)入社。主にネット系スタートアップの投資育成業務及びファンド組成管理業務に従事。 2010年インキュベイトファンド設立、代表パートナー 就任。メディア・ゲーム関連領域を中心とした投資・インキュベーション活動を行うほか、ファンドマネジメント業務を主幹。2015年より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会企画部長兼ファンドエコシステム委員会委員長就任。

創業後わずか4年、若干28歳でGameWithのマザーズ上場を果たした今泉社長。 GameWithの成長の背景にあるサービスや組織、ユーザーとの向き合い方に関する取り組みについて、今泉社長、並びに創業期から二人三脚でGameWithを支えてきたインキュベイトファンド代表パートナーである村田取締役にお話を伺いました。

(ライター:福田滉平)

マンションの一室、「精神と時の部屋」からの起業

村上誠典(シニフィアン共同代表。以下、村上):今回はよろしくお願いします。まず最初に、会社設立の経緯について教えてください。GameWithの成長には最初の起業に失敗した経験が活きているそうですが、最初の起業での経験で得たまなびとは、具体的にどういったことなのでしょうか?

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今泉卓也氏(GameWith代表取締役社長。以下、今泉):最初の起業はゲーム開発会社でした。当時は毎日、ゲームを作ることに集中していました。一方で目の前のことで手一杯になり、一緒に働いているメンバーに目が行き届かなくなってしまいました。その結果、メンバーのモチベーションに向き合うことができず、同じ方向を目指せなくなってしまった。そして会社が悪い方向に傾いた時に、メンバーの気持ちが一気に離れていったんです。相手の心に向き合わないと人は離れていく。ここは失敗したなと思います。

そこでGameWithを作るときは、みんなで同じ場所に住んでスタートしようと、マンションを借りて部屋に滞在することから始めました。

村田祐介氏(GameWith取締役。以下、村田):今泉が「外界と断絶したい、『精神と時の部屋』に入りたい」と言い出し、マンションの一室で始めたんです。リビングがオフィスで、それぞれの部屋に住み込みで生活しながら仕事をしていました。

村上:最初のマンションにはどのくらいの期間いたんですか?

今泉:10ヵ月くらい入っていました。この時は社員数で言うと5名くらいで、アルバイトを含めると、8人くらいの規模でした。初期のメンバーは仕事以外の面も知ることができたので、より強いつながりが築けたと思っています。

社員を中間管理職にして、組織を育てる

村上:GameWithでも、社員がバラバラになるリスクを感じたことはありましたか?

今泉:社員の人数が増えて30人くらいになったときですね。社員数が少ないときは、1対1で話して社員の悩みや不安を個別にケアすることができたのですが、人数が増えてくる中で、僕の考えていることが分からないと言われるようになったんです。

2つ目のオフィスは40坪くらいのSOHO向けマンションだったのですが、人数が増えてくるとスペースが足りなくなり、マンションの中で部屋を借り増しながら事業を進めていました。

村上:会社の人数が拡大する中で、最初の起業とは違い、創業時の濃い時間を一緒に過ごしたメンバーが助けになったことも多々あるのではないでしょうか?

今泉:実は、創業して早い段階から創業メンバーを中間管理職にするよう意識していました。社員の下にアルバイトを付けて、組織に階層を作ることにチャレンジしていたんです。創業期は役職は違えど、友達みたいな雰囲気が抜けず、上下関係を作っていくのが難しい。直接言ってもすんなり伝わらないことや、僕自身が言いにくいといった所もありました。そこで創業メンバーにも早く部下を持ってもらい、僕が管理職として考えていることを理解してもらおうとしました。部下のこういう行動は注意をしなきゃいけないだとか、部下がこういうマインドを持つように導いて欲しいということを伝えることで、自分自身にも置き換えて理解してもらおうと意識していました。その結果、早い段階から目線を合わせることができたと考えています。

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創業期のオフィスの様子

一方、アルバイトの中で、不満を持って辞めた人は少なからずいました。ただ、ある程度は、人が辞めてしまうのは仕方ないことだと思っているところがあります。これは、前回の会社が失敗したからこそ、分かったことです。初期にいるメンバーにはその経験を早く積んでほしかったんです。自分がマネジメントする立場につくと、自分が上の人間からどう見られていたのか分かりますよね。

会社のことを語れる社員を育てていく

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村上:急速に人が増えてマネジメントが難しくなったり、上場を経験されたりする過程で、これまで何回くらい人材マネジメント上の変化を感じられましたか?

今泉:これまで、大きく5回の変化がありました。最初は、創業期の友達だった時。その次が先ほど話した、部下を付けて階層を作った時です。3回目は、人数が増えて顔が見えなくなった時。僕が話したことのない人が増えた時期でした。そして4回目が、今のオフィスに移転した時。攻略事業のみの状態から、別の事業が育ってきて、部署として独立させたタイミングです。

最後は、まさにこれからのタイミングです。上場したことでさらにメンバーが増え、僕が話したことがない人も増えました。こうした中で、組織体制やオペレーションも変化し、新たな不満も上がってきています。こうした変化や不満に対応する中で、人材のマネジメント方法もまた変わっていくと思います。

村上:不満というと、現状、会社の中に不満が10あるとすると、いくつくらいが今泉さんまで届いている感覚ですか?

今泉:昔は9くらいは届いていたと思うのですが、いまは5とかですね。

村上:社内の不満を拾ったり、認識している不満に対応したりするには色々なアプローチがありますが、どのように手を打っていますか?例えば、若い人と飲みに行ったりしてもっと吸い上げようとするだとか、今見えている不満を確実にひとつずつ対応していくだとか。

今泉:手探りの状態ではあるのですが、そもそも不満を1つ1つ潰しに行っても難しいところがあると思っています。人が増えてくると、どうしても合わない人も増えてくると思います。現時点では、管理職の層を強くして会社を語れるようにしていく、ということをテーマに考えています。

不満というのは、事業を進めていく中で、現場に経営者の考えていることが上手く伝わらなくなることで生まれることが多いと思います。そうした時に管理職の層が、「会社としてどうあるべきか」経営者の考えていることを語れることが不満を解消していく上では重要だと思います。なので、今まで以上に管理職に対して、僕自身が語りかけていって、彼らが会社について自分たちの言葉で他のメンバーに語っていく。そうなるように今後は注力していきたいと思います。

仕事でゲームをして、休み時間にもゲームをする会社

村上:社員の方の中にはゲーマーの方もいれば、管理職的な方もいると思います。こうした、全く違う人材をどのように採用していらっしゃるんでしょうか?

今泉:ゲームライターは、職歴は関係なく、ゲームをどこまでやりこんでいるか、ゲームのスキルを重視していて採用しています。基本的にはアルバイトでスタートして、社内に入ってからライティングスキルとかをつけてもらうという流れです。GameWithのユーザーに対して、GameWith上で求人を出して、ユーザーに応募してもらっているんです。このようにゲームライターの採用は特殊ですが、エンジニアや営業職といった職種はエージェント経由や社員からの紹介で採用しています。

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村上:そうすると、ゲームライターの方々と管理職や営業職の方の間で、心理的な距離が遠ざかってしまうということはないのでしょうか?製造業だと、コーポレート部門の人が工場で働いている人を見たことがないということも起こりがちですよね。

今泉:うちの場合は、みんながゲームでつながっているところがあります。そもそも、ゲームが嫌いな人はうちの会社には来ません。ゲームが上手いか下手かは別として、社員はゲームが好きな人が多いです。また、うちの会社に入った以上はゲームをしてくださいという風にも言っているんです。そうじゃないと、会社がやっているサービスを本質的にわからないですよね。そういう意味では、ゲームライター以外の社員は、ゲームライターのことをゲームプレイヤーとして尊敬しています。社内でゲーム大会を開催することもありますし、昼休みにはゲームで盛り上がっている、そんな会社です(笑)

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